外資就活をしている学生で「モルガン・スタンレー」の名前を聞いたことがない人はいないでしょう。
ゴールドマン・サックスと並ぶ名門投資銀行であり、現在もグローバルで無類の強さを誇る外資系金融機関です。
しかし、いざ選考を受けてみようと会社のWebサイトや就活メディアを覗いてみると「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」「モルガン・スタンレー」「モルガン・スタンレーMUFG証券」など、色々な表記があることに気づくと思います。
「どれが本当のモルスタで、どれが偽物()のモルスタなの?」と迷ってしまう就活生も多いことかと思います(実際に内定の森運営メンバーにも未だに分かっていない人が数名いました)。
というわけで今回は「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」「モルガン・スタンレーMUFG証券」の2社の違いを通じ、どれがいわゆる「モルガン・スタンレー」に当たるのかを徹底的にまとめました。
モルガン・スタンレーとは?
19世紀の米国金融業界のドンとして君臨していたジョン・ピアポント・モルガン(J.P.モルガン)がトップを務めていたモルガン商会。
そのモルガン商会の証券業を担っていたのが現在のモルガン・スタンレーに当たります。
1930年代に世界恐慌の反省を踏まえて、米国政府がグラス・スティーガル法(銀証分離法)を制定したのち、モルガン商会はJPモルガン(商業銀行)とモルガン・スタンレー(証券会社)へと分離します。
これが、モルガン・スタンレーとJPモルガンの名前が似ている理由ですね。
ちなみに、モルガン・スタンレーの「モルガン」はJPモルガンの孫の名前の「モルガン」を取っているので、厳密にはJPモルガンの「モルガン」ではないのですが、蛇足過ぎるのでここまでにしておきましょう(笑)
ゴールドマン・サックスやメリルリンチと並ぶピュア投資銀行として業界を引っ張る存在でしたが、リーマンショック後には銀行持ち株会社への移行を余儀なくされ、自己資本比率などの規制を強められています。
ただ依然としてリーグテーブル上位に位置する名門投資銀行であることには変わりなく、グローバルでのネームバリューは非常に強い状態をキープしています。
モルガン・スタンレーに関する詳しいご紹介は以下の記事へ。
日本のモルガン・スタンレー
日本とモルガン・スタンレーの最初の出会いは、関東大震災時に日本政府が発行した震災手形をモルガン商会が引受(ひきうけ)したときから始まります。
1980年代からゴールドマン・サックスなどとともに日本市場に本格進出し、バブル崩壊後の業界再編のM&Aや不良債権処理の際に力を発揮します。
ここ20年ほどで「外資系投資銀行」が一つのブランドとなった背景には、このバブル期の活躍があるのは間違いありません。
永らくピュアモルガンとして力を振るっていましたが、リーマンショック後の2010年に転機が訪れます。
2010年にジョイントベンチャー化
リーマンショックによってゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーの業績が伸び悩んでいる2010年。
三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)とモルガン・スタンレー日本法人の合併・ジョイントベンチャー化が発表されます。
三菱UFJ証券を持つものの、国内では野村に、海外では米系投資銀行に劣るMUFGと、救済措置を求めているモルガン・スタンレーとの利害が一致し、合併手続きが進んでいきました。
こうして生まれたのが
① 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
② モルガン・スタンレーMUFG証券
の2社です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
通称「ミツモル」「Mumss(マムス)」と呼ばれる三菱UFJモルガン・スタンレー証券。
MUFGが60%、モルスタが40%という株主比率であり、実質的に三菱UFJ証券の流れを引く証券会社になります。
モルガン・スタンレーMUFG証券
モルガン・スタンレーとMUFGの関係はあくまでJVであり買収ではないため、三菱側の意向が強いミツモルができた暁にモルスタ側の流れを汲む証券会社を作ることが決定されました。
こうしてできたのがモルガン・スタンレーMUFG証券です。
モルスタが51%、MUFGが49%という株主比率となり、こうして名前の似ている2社が併存する体制が出来上がりました。
配属先はどこになるの?
投資銀行部門
基本的には「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」に配属となります。
名刺も三菱UFJモルガン・スタンレー証券なので、ピュアモルガンを期待する学生にとっては少し残念かも?(笑)
ただ採用窓口は「旧三菱UFJ証券」と「旧モルガン・スタンレー」の2つが依然として用意されています。
前者が「三菱UFJモルガン・スタンレー証券 投資銀行部門」、後者が「モルガン・スタンレー 投資銀行部門」として採用募集がなされています。
採用ラインは別々なので鞍替えになることもありません。
実際の配属先としミツモルのバンカーは「投資銀行第二部」に、モルスタのバンカーは「投資銀行第一部」に配属(出向)という形になります。
給与体系も異なっています。
ミツモルとして採用された場合は旧三菱証券の給与水準(新卒年収500~600万円)、モルスタとして採用された場合は旧モルガン・スタンレーの給与水準(新卒年収1,000万円)となります。
働くオフィスフロアも違うため、基本的に第一部と第二部の関わりは思ったよりも強くありません。
クロスボーダー案件で国内・海外を繋ぐ際の交流や三菱側からの人材交流ということでミツモルのエースバンカーがモルスタ側に出向してくることもあるようです。
この合弁によってMUFGによる国内市場の知見とモルスタによるグローバル市場の知見が掛け合わさり、より案件獲得に対して強みを発揮できているのは事実です。
投資銀行(IBD)の日本での強さという面では、モルスタが総合力でNo.1でしょう。
資本市場部門
他の外資系投資銀行では採用窓口が一緒になっている場合が多いですが、モルガン・スタンレーの場合は投資銀行部門と資本市場部門で採用窓口が分化されています(途中まで選考フローは共有しています)。
資本市場部門(Gloabal Capital Markets)は基本的に「モルガン・スタンレーMUFG証券」への配属になります。
同じプライマリー業務であるにもかかわらず投資銀行部門と違う証券会社になっているのは奇妙ですが、まあその辺は深入りせず(笑)
投資銀行部門とオフィスフロアは違いますが、協業も少なからずあるので気持ち的には同じモルガン・スタンレーであることに変わりはありません。
マーケット部門
株式セールス&トレーディング部門、債券セールス&トレーディング部門も基本的に「モルガン・スタンレーMUFG証券」への配属となります。
モルガン・スタンレーはエクイティ・ハウス(株式が強い証券会社)と言われており、合併後もその血を引き継いでいるため、モルスタ側として扱われています。
基本的にピュアモルガン時代と変わらず、モルガン・スタンレーのみからの採用が行われています。
ミツモルでも同様にセールス&トレーディングの採用は行われていますが、こちらは全くの別会社と思ってもらって大丈夫です。
バックオフィス
こちらも基本的には「モルガン・スタンレーMUFG証券」への配属になります。
ただ内定の森運営メンバーにそこまで情報が集まっていないため、詳細はよく分からずじまいです。
給与体系は間違いなくモルガン・スタンレーなのでそこはご安心ください(笑)
リテール(営業)
こちらは基本的に「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」に配属されます。
というよりも外資系投資銀行はリテール業務(個人投資家への営業)を行っていないため、この部署は旧三菱UFJ証券にしか存在していません。
ミツモル側でしか採用が行われていないため、必然的にミツモルへの配属となります。
モルガン・スタンレー2社の違いまとめ
以上、簡単に「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」と「モルガン・スタンレーMUFG証券」の違いをまとめました。
結論モルガン・スタンレーに行きたい人は、外資就活ドットコムから「モルガン・スタンレー」の応募ページに進めば問題ありません(笑)
安心して選考に臨んでみてください!
モルガン・スタンレーの特別案件がある就活サービス!?
名門投資銀行であるモルガン・スタンレーですが、ある就活サービスとのつながりが強いことで有名です。
その名もビズリーチ・キャンパス!
と言うのもビズリーチ代表の南壮一郎さんは元モルガン・スタンンレーIBDの出身なんです。
そういったご縁もあって、ビズリーチ・キャンパスでは年に2~3回ほどモルスタとのタイアップイベントがあります。
就活生にとってはモルスタを良く知るための絶好のチャンス。
ぜひ登録してイベントをチェックしてみましょう!