外銀紹介編①に続き、今回は欧州系投資銀行を中心とした投資銀行やその他の金融機関をご紹介します。
外銀就活を始めたばかりの人にとっては聞きなれない社名も多く出てきますが、ぜひ一度チェックをして内定を取るまでのイメージを膨らませておきましょう!
▽前回の記事はこちらから▽
シティグループ証券
世界最大級の事業規模を誇る米系金融機関であるシティ・グループ。
アメリカを代表するメガバンクですが、もちろん投資銀行部門を持っています。
米系投資銀行として長年リーグテーブル上位に位置する名門ハウスと言えます。
ただ日本においてはゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン、メリルリンチに比べるとやや力が劣る印象です。
しかしメガバンク経由で案件が入ってくることも多く、世界中にコネクションを持っているのは間違いなく強みでしょう。
チェース銀行を傘下に持つJPモルガンと戦い方は同じです。
社員さんの雰囲気としては結構カラッとした雰囲気があります。
よく言えば真面目で穏やか、悪く言えば陰キャラといったところですかね(笑)
あと謎に激務であることを誇らしげに語ってくることもあります(苦笑)
面接で「シティを志望する理由は?」と聞かれたら事業の強みと社風を組み合わせて言えばOKです。
「メガバンクからの強力なコネによる案件獲得の強みがあり、かつ社員さんも穏やかな雰囲気で私に合うと思いました」
これが鉄板です(笑)
気になる就活スケジュールとしては、夏・冬ともにインターンを開催しています。
シティ・グループは他の投資銀行と異なり、夏採用と冬採用を明確に分断して行っています。
サマーインターンで優秀と判断されると、後日追加で2日間のジョブ(通称:裏ジョブ)に呼ばれます。
そこでも評価が付くと、秋口に最終面接(通称:スーパーデー)に呼ばれ、内定が出ます。
10~11月といった年明け頃に毎年内定を出す外銀はシティ・グループくらいですね。
(モルガン・スタンレーも年明け前に内定を出した年もありますが、それはマチマチです)
冬採用の場合は11月頃にES・Webテ、12月に面接とウィンタージョブ、1月にスーパーデイといった日程で進みます。
夏の囲い込み層とは別ルートで正規選考をしてくれるのでありがたいですね。
まあぶっちゃけ夏でシティから内定をもらう層は、GS・モルスタ・JP・メリルから内定を貰える場合が多いです。
ということは夏組からは内定を蹴られがちというわけです。
ですので冬採用からでもチャンスの間口は大きいと言えます。
UBS証券
スイスを代表する名門投資銀行であるUBS。
金融街・チューリッヒに拠点を構えるヨーロッパ屈指の金融機関です。
投資銀行のほかにプライベートバンキング(PB)も所有しており、富裕層や経営層などのパイプが太いのが特徴です。
日本の中では一昔前までは欧州系投資銀行として根強い人気を誇っていましたが、現在はやや渋っているという印象です。
実際マーケット部門の債券セールス&トレーディングと資本市場部門の債券調達部署(DCM)は日本からほぼ撤退しており、経営の選択と集中を強いられていると言えます。
社風としては、やはり穏やかで真面目な人が多いという印象です。
現在の投資銀行部門長はゴールドマン・サックスのロンドン支社出身の凄腕バンカーということもあり、その人のカリスマ性に依存しているハウスとも言えます。
就活スケジュールに関しては、基本的には他社投資銀行と同じく夏と冬にインターンを開催しています。
投資銀行部門に関しては毎年おおよそ3~5人。
マーケット部門(株式セールス&トレーディング)は毎年おおよそ2~3人。
アセット・マネジメント部門は毎年1人の採用枠です。
アセマネに関しては基本的に帰国子女で英語できることがマストになりそうなので、純ジャパにはややハードルが高いでしょう。
夏は6月にES・Webテ、8月に面接・ジョブ、9月頃から優秀者へのフォローアップという形になります。
冬は11月にES・Webテ、12月に面接・ジョブ、1月にスーパーデー&内定という形で、基本的にはウィンタージョブを通過しないと内定が出ない仕組みになっています。
また2019年卒からはUBS全体でビデオ面接が採用され、自宅PCで面接動画を録画して送信するシステムに代わりました。
一応社員さんも全員のフル動画をチェックしているらしいので、適当にやらないように(笑)
話す内容や雰囲気は勿論のこと「画面が暗い」という理由で落とすこともあるらしいので、万全を期した形で臨みましょう!
バークレイズ証券
イギリスに古くから根を張って拡大を続ける金融機関・バークレイズ。
巨大な商業銀行を主軸にビジネスモデルを組む総合金融機関です。
投資銀行に関しては、歴史は近世江戸時代ごろまでさかのぼり、人によっては最古の投資銀行と呼ぶことがあります。
グローバルで見ると力は強いのですが、日本支社で見ると若干ブランドに難がある印象があります。
というのも2016年に日本株の取引業務から撤退を発表し、人員削減を行ったというニュースが業界を駆け巡ったためです。
UBSとは対照的にバークレイズの場合はマーケット部門の株式セールス・トレーディング、資本市場部門の株式調達部署(ECM)がありません。
バークレイズもまた選択と集中を迫られているハウスと言えます。
ただオフィスは六本木ヒルズ内にあるため、やはりかっこいいです(笑)
社員さんの雰囲気は何となくメリルリンチに近いようなところがあり、結構イケイケGOGOといった感じです。
楽しむときは楽しむ、やるときはやると言った肩の荷が下りたような雰囲気の人が多いと言えるでしょう。
就活スケジュールに関しては、夏と冬にインターンを開催するというオーソドックスなフローになっています。
やはりUBSと同様冬のジョブを通過しないとスーパーデー&内定が出ないので、冬のジョブできっちり評価をもらいましょう。
バークレイズは投資銀行業界の中で、一番雰囲気を重視しているように見えます。
バリュエーションがどうこう、M&Aのロジックがどうこうより、その人の持つ雰囲気がバークレイズに合うかどうかに重きを置いているのだと思います。
バークレイズっぽさをアピールしていきましょう!
ラザード・フレール
本社をニューヨークに構える名門投資銀行・ラザード。
日本支社の名前はラザード・フレールです。
何か、ルイ・ヴィトンとかココ・シャネルを彷彿とさせるオシャレな名前ですよね(笑)
ゆるふわ系投資銀行かと思いきや、そんなことはありません。
伝統ある名門投資銀行として、M&Aアドバイザリーに特化したサービス提供を続けています。
株式や債券調達を行う資本市場部門、株式・債券取引を行うマーケット部門などは存在しません。
それゆえ日本ではブティック系投資銀行の1つに数えられることも多々あります。
就活スケジュールに関してですがラザード・フレールは2019卒から新卒採用を開始したため、おそらく社内でもまだ試行錯誤の段階にあると思われます。
2019年卒の場合、夏のインターンは3ターム(5日間)あり、好きな日程を選択する方式でした。
またその後は度々面接や長期インターンなどの機会に呼ばれ、結局内定を出したのは1~3人くらいといった感じです。
ブティック系でかつM&Aアドバイザリーに特化しているということもあり、割と財務や金融知識に明るい人材が好まれるでしょう。
バリュエーションに自信があって好きだという人には、おすすめのハウスになります!
ドイツ銀行
かつて、リーマンショック前までは無双状態にあったドイツ銀行。
Deutsche Bankとしてドイツ本国では3大メガバンクの1つに数えられています。
(日本銀行と異なり、国の中央銀行ではありません)
マーケット部門に所属している戦略投資部を中心に、自己勘定投資などでレバレッジを利かせた投資活動を行っていたドイツ銀行。
しかしリーマンショック後に経営が傾き、人員削減が突発的に行われています。
日本支社でもその煽りを受けており、数年前には新卒であってもレイオフを喰らう状況だったようです。
2018年も投資銀行部門において大規模なレイオフをすると発表がありましたが、果たして経営のほうは大丈夫でしょうか?
採用スケジュールに関してですが、年によってインターンが開催されたりされなかったりとマチマチな状況です。
投資銀行部門、マーケット部門、アセット・マネジメント部門・バックオフィスが主な採用部門ですが、2019年卒の場合は夏はマーケット部門のみインターンを開催していました。
冬の採用がメインなので、冬の本選考で評価をもらうことが内定への条件と言えるでしょう。
クレディ・スイス
UBSと同様、スイスの名門投資銀行であるクレディ・スイス。
プライベート・バンキングを所有しており、そこの繋がりを生かして案件を獲得することができるのが強みのハウスです。
UBSよりも所得水準の高い富裕層を相手にしており、社員さんもその部分をアピールしていました。
ただ、日本においては割と行政処分などを受ける傾向にあるハウスである印象は強いです(笑)
結構Wikipediaにも辛辣なことが書いてあります。
就活スケジュールに関してですが、クレディ・スイスは特殊な採用方法をとっています。
大学2年生向けに翌年の長期サマーインターンの募集を掛け、合格すると次の年の夏に1か月程度の長期インターンに参加ができるといった感じです。
社員さんと同じ時間・裁量で働くため、激務度合いや給与水準を身をもって体感できるプログラムになっています。
ただ大学3年次の夏をクレディ・スイスに捧げることになるので、他社投資銀行のサマーインターンには参加できなくなるリスクは覚悟しておきましょう。
その反面、このインターンに参加すれば高確率で内定はもらえるんですがね。
冬も投資銀行部門とマーケット部門で本選考が行われていますが、毎年2~3人しか年間で内定が出ないことに注意しましょう。
採用人数はサマー組の内定辞退状況に依存するといった感じでしょうね。
BNPパリバ
パリのメガバンクとして力を持つ総合金融機関・BNPパリバ。
日本支社においては、ぶっちゃけ結構存在感は薄いです(笑)
現に投資銀行部門に関しては新卒採用を行っておらず、マーケット部門とバックオフィスのみの採用を行っています。
採用時期は冬の本選考のみであり、冬でしっかりと評価をもらうことが内定の条件になります。
その他外資系金融機関
今までは投資銀行に絞って解説をしてきましたが、他にも外資系金融機関はたくさんあります。
基本的には中途採用がメインですが、中には新卒採用を行っている金融機関もあったりするので一度チェックしてみましょう。
PEファンド
プライベート・エクイティ・ファンドの略称です。
業績が悪化した企業を買収して経営に干渉し、企業価値を上げたところで再び売却するというビジネスモデルで多額のフィーを稼いでいます。
「東芝メモリ」や広告代理店の「アサツーディ・ケイ」を買収したベイン・キャピタル等が日本では有名ですね。
外資系投資銀行あるいは戦略コンサルティング・ファーム出身者で社員の大半が占められており、外銀志望者は将来的にPEファンド転職を視野に入れている人が多いです。
20代後半~30代前半くらいが一番の若手であり、採用も数人程度で毎年やるかもマチマチという難関業界です。
日本においてはまだまだマイナーな存在ですが、今後日本でもコーポレートガバナンスの概念がが浸透して行く可能性が高いです。
それに従い企業の買収・売却が盛んになってくると、更に投資しファンドの存在感は高まっていくでしょう。
転職先としてぜひ一度チェックしてみてください!
ベイン・キャピタル
カーライル・グループ
KKR
ローンスター
ユニゾン・キャピタル
ブラック・ストーン
ヘッジファンド
ヘッジファンドは株式投資・債券投資・デリバティブ投資・オルタナティブ商品投資などを通じて収益をあげる投資ファンドです。
イメージ的にはマーケット部門のトレーダーと同じような業務をしているといった感じです。
ブラック・ロック
ブリッジ・ウォーター・アソシエイツ
AQRキャピタル・マネジメント
外銀各社紹介 まとめ
以上、外銀の各社紹介編②でした!
各社の違いを抑えながら、面接でウケる言葉やどういう人材が好まれるかの研究を行っていきましょう!
「外銀内定への道」シリーズ