Webテストとは何者か?
就活生にとって地味に嫌な存在であるWebテスト。
就職活動においては、言語(国語)・非言語(算数)・英語・性格の4科目によって成り立っているWebテストがメジャーになっています。
中学受験・大学受験を経験している人ならデジャブかもしれませんが、指定校推薦などを使って大学に入学した人にとってはかなり苦手意識があるのではないでしょうか?
この年になって受験勉強のように対策が必要になるなんて、思いもよらなかったですよね(笑)
そこで今回はWebテストに苦手意識・不安意識を持っている人向けに、内定の森が丁寧に解説を加えながらWebテストを形式ごとにご紹介していきます。
様々なWebテストを受検して通過してきた内定の森だからこそ書ける珠玉のWebテスト対策記事です。
選考フローの中での位置づけ
そもそもWebテストとは、選考中のどの辺りで課されるものなのでしょうか?
まずは一般的な企業の選考のフローを確認しておきましょう。
■ エントリーシート・履歴書
文面(志望動機・自己PR等)とスペック(学歴・資格等)による足切り
■ 筆記試験・Webテスト
基礎的な学力による足切り
■ グループディスカッション
受検者の中から「何となく良さそうな人」をスクリーニング
■ 集団面接
受検者の中から「個別で話をしてみたい人」をスクリーニング
■ 個人面接
コミュニケーション能力・容姿・価値観等を総合的に判断
■ 最終面接
上級職社員による入社意思の確認
■ 内定
翌年の入社を確約
企業によってグループディスカッション(GD・グルディス)がなかったり、集団面接がなかったりしますが、大まかに言うとこんな感じ。
Webテストは序盤の「足切りフェーズ」に当たる選考形式だといえますね。
ちなみにほとんどの企業ではエントリーシート(ES)と合算で判定されます。
エントリーシートとWebテストの結果の両方を提出することによって、初めてエントリー完了となるわけですね。
まずは企業の選考ページに応募して、Webテストの案内にしたがって申し込みや受検をしてみましょう。
Webテストの選考倍率
次に気になるのがWebテストの選考倍率やボーダーライン。
就活の掲示板で最も話題になるやつですね(笑)
実のところ自分のテストの結果は永遠に知ることができないため、ボーダーライン等は永遠に分からずじまいなんです。
入社後に新卒採用担当に配属されるか、リクルーティングチームにアサインされるかでもしない限り真相は分からないままです。
ただしかし、確からしい情報としては「得点を偏差値分布に直して合格ラインを決めている」ということです。
要するに「偏差値60以上なら合格、60以下なら不合格」というボーダーラインの引き方をしているというわけです。
このボーダーラインの引き方は企業によってまちまちなので、一概にどのくらい得点を取ると合格かとは言いにくいのが現状です。
また、業界によっては個別の科目の偏差値による足切りをしている場合もあると言われています。
例えばコンサルティング・ファームの場合は非言語のボーダーラインが高めに設定されているという噂はどの年度でも流れています。
大学受験で言うなら、各科目で足切りラインを設けている慶應経済のような感じでしょうか。
いくら言語の偏差値が70だったとしても、非言語の偏差値が55だったら不合格という可能性もあるというわけですね。
ということは、偏った対策をするのではなくバランスよく対策をしたほうが合格確率的には高いということになります。
真相は闇の中ですが、信用できる断片的な情報を繋ぎ合わせるとこのような推測ができますね。
ともかくWebテストは偏差値を基準とする相対評価である可能性は非常に高いため、手ごたえが良くなかったとしてもへこむことはありません。
結果を気長に待ちましょう。
Webテストを形式別に解説
Webテストの嘘か真か分からない論点への考察はこれくらいにしましょう。
次はいよいよ、形式別にWebテストをまとめていこうと思います。
「SPI?」「玉手箱?」「テストセンター?」等とWebテスト用語を混同している皆さんにとって、有益になること間違いなし!
①テストセンター(SPI)
おそらくすべての就活生にとって、一番お世話になる回数が多いのがSPI式のテストセンターでしょう。
問題形式
専用のWebテスト受検会場に出向いてPCで試験を受けます。
首都圏の場合は御茶ノ水ソラシティという会場で受けることが強制的に決まっています。
持ち物は受験票のコピーと身分証明書のみ。
筆記用具は会場が貸し出してくれます。
時間に関しては60~90分程度が一般的と言えます。
設定されている科目は以下の5つで、問題形式はSPIと呼ばれるものです。
■ 言語(国語)
単語の意味、熟語の構成、現代文の読解など
■ 非言語(算数)
中学入試レベルの算数問題、確率、場合の数など
■ 構造把握
ある文章と構成が類似している文章の選択など
■ 英語
単語の意味、イディオムの使い方、長文読解など
■ 性格
様々な設問から性格の傾向を診断
ほぼ100%の企業で言語・非言語・性格は課されますが、構造把握や英語が課される企業は一部の企業のみになっています。
外資系企業や総合商社など、難関と言われている企業では課される場合が多いです。
難関企業を受検したいと考えている人は対策が必須と言えます。
外資系企業のテスト対策は別の記事でもまとめているのでご参照あれ。
出題企業(例)
ゴールドマン・サックス、ボストン・コンサルティンググループ、三菱商事、三井物産、丸紅、野村総研、電通、三井不動産、トヨタ自動車、ANA、JR東日本、パナソニック、ソフトバンク など多数
対策方法
対策方法として確実なのは、とにかく受検しまくること。
自分の志望群以外の企業の選考にエントリーして、練習目的でどんどん受けることをオススメします。
まずは形式になれるのに1社、正答率を上げるために1社、仕上げに1社、そして本番企業受検、というくらい念入りに準備をすれば十分でしょう。
また練習過程の中で、総合商社や外資系企業の選考を通過できたならば儲けもの。
というのも受検結果は他社に使い回すことができるからです。
一般的に総合商社や外資系企業のテストセンターのボーダーは高いと言われています。
その辺りを通過できているテスセン結果であれば、他の企業も通過できる可能性はそこそこ高いでしょう。
ただし注意したいのは、外資や商社に通過したテストセンター結果が必ずしも万能ではないこと。
前述したように、企業によって科目に掛けている比重が違ったりすることも考えられるので。
また、ウィンターインターンのテスセンの場合は割とボーダーが低めに設定されていることもあるため、本選考時にその結果を他社で使い回して落ちてしまったという事例もチラホラ聞きます。
使い回しに関しては自己責任で行うようにしましょう。
内定の森でも以前テストセンターの使い回しについて考察した記事があるので、合わせて見ておいてください。
対策用問題集
対策用問題集として圧倒的にオススメなのは以下。
この一冊さえやっておけば問題ありません。
まずは問題傾向をつかむためにザっと一周、次に自分が苦手だと思った分野を重点的にもう一周するような形で進めていきましょう。
2週間~1ヶ月程度あれば十分に対策ができるはずです。
②自宅受検型SPI
「SPI≒テストセンターでの受検」という場合が多いですが、中には自宅PCでの受検も可能なSPIを課してくれる企業もあります。
問題形式
テストセンター(SPI)と同じく、言語・非言語・構造把握・英語・性格です。
時間も同様に60~90分で終わる場合が多いです。
出題企業(例)
リクルート など
対策方法
対策方法はテストセンター(SPI)と全く同じです。
ただし自宅受検型ということで”不正”は可能なので、電卓を用意する等のチート策は使ってもバレません。
(Webテスト解答集は結構正答率が低いのでオススメできません)
対策用問題集
テストセンターの問題集を解いておけば十分ではありますが、不安な人はSPI特化の問題集を解いておくといいと思います。
ペーパーの部分は基本解かなくていいので、Webテスティングの章を重点的に対策しておきましょう!
③テストセンター(ヒューマネージ社)
テストセンター(SPI)と別の形式の会場受検型Webテストです。
ヒューマネージ社の問題はSPIとやや性質が違うので、別途形式慣れが必要と言えます。
問題形式
専用の会場に出向いて試験を受けます。
こちらはSPIのテストセンターと異なり、首都圏でも様々な場所に受検会場があります。
最寄りの場所で受けちゃってください。
時間自体は60分程度だったと記憶しています。
科目自体はSPIと似ていますが、内容がやや違います。
■ 言語
長文読解、趣旨把握 など
■ 非言語
四則逆算、図表の読み取り、論理関係 など
■ 英語
単語の意味、長文読解 など
■ 性格
多面的な質問による性格診断
ヒューマネージ社のテストセンターには「従来型」と「新型」という2つの形式が存在しますが、現在ほとんどの企業は「新型」を取っている場合が多いです。
新型のほうが簡単になっているので、受検者としてはありがたい限りですね(笑)
とは言え、ヒューマネージテストセンターはSPIよりも格段に難しいことで有名です。
特に非言語の四則逆算は時間不足に、図表の読み取りは高難度な問題に悩まされることになるでしょう。
理系学生ならともかく、文系学生は計算速度を上げるトレーニングを事前に積んでおくことが必要です。
出題企業(例)
モルガン・スタンレー、Strategy &、武田薬品、日本ハム、国際協力銀行 など多数
対策方法
前述の通り、非言語は個別に対策を施しておくのが無難です。
問題集による対策はマストと言えます。
またSPIテストセンターと同様に、志望群以外の企業の選考に応募して予習しておくことも忘れてはいけません。
ただしSPIのテストセンターに比べ、ヒューマネージテストセンターを採用している企業は少ないのに注意しましょう。
とにかく非言語です。
非言語の対策を怠らないようにしましょう。
対策用問題集
以下の問題集を丁寧にやり込むことをオススメします。
四則逆算などの問題数は限られているので、計算速度に不安が残る人は計算用ドリルを別途購入することも検討してください。
言語に関してはそれほど難しいとは言えないので、軽く見ておくくらいでもいいでしょう。
④TG – WEB
ヒューマネージテストセンターの自宅受検版がTG-WEBです。
御茶ノ水ソラシティで受けるテストセンター(SPI)と自宅受検型SPIとの関係に似ていますね。
問題形式
気になる問題形式ですが、基本的にヒューマネージテストセンターと同じです。
ということは、やはり非言語が難しいということになります(笑)
出題企業(例)
ローランド・ベルガー、三菱東京UFJ銀行、サントリーHD、資生堂、TOTO、日本総研 など
対策方法
こちらはヒューマネージテストセンターと同様の対策方法で問題ありません。
ひたすらに非言語です。
対策用問題集
対策用問題集も同様に以下をひたすらやり込んでください。
⑤玉手箱
SPI、TG-WEBと並んで頻出なのが玉手箱。
主要企業は玉手箱を採用していることも多く、対策をしておく必要があります。
問題形式
基本的に自宅受検型です。
テストセンターで受ける形式(C-GAB)もあるとのことですが、ほとんどが自宅受検なのでC-GABの説明は省きます。
時間は他社のWebテスト同様に60分程度で済みます。
科目は以下の通り。
SPIとTG-WEBのちょうど中間くらいの難易度と言えそうです。
■ 言語
現代文の読解
■ 非言語
図表の読み取り、空欄推測 など
■ 英語
長文読解 など
■ 性格
多面的な質問による性格診断
就活で課されるWebテストの中で、玉手箱が一番オーソドックスな形式だと言えると思います。
言語・非言語・性格と言った形ではっきりと分けて出題してくるので、受け手側も解きやすいですね。
ただ1つ注意したいのは、非言語の空欄推測。
「前年度・前々年度の売上・販売個数などのデータ表を与えられ、今年度の売上を推測する」といった形の問題が出ます。
時間の割に問題の難易度が高い印象があるので、別途慣れが必要と言えそうです。
出題企業(例)
バンクオブアメリカ・メリルリンチ、シティグループ、みずほフィナンシャルグループ、野村證券、日立製作所、アクセンチュア、PwC、富士通、アサヒビール など多数
対策方法
出題企業が非常に多いため、SPIと同様に色々な企業の選考を受けまくるのが得策と言えます。
SPIに比べて問題のバリエーションも少なく、何度か受けていると同じような問題に遭遇することもしばしば。
比較的慣れやすいWebテストだと言えそうです。
対策用問題集
以下をしっかりやり込みましょう。
玉手箱は問題傾向にクセがないため、1周やるだけでも十分な学習効果が見込めます。
玉手箱は問題集1周+実際の選考受検で触れる機会を担保しつつ、重点的な対策はTG-WEBに回す等の戦略もまた一つありでしょう!
⑥その他
その他にもTAP、CUBIC等さまざまなWebテストが存在しますが、基本的にはSPI・TG-WEB・玉手箱を押さえておけば問題ありません。
企業によってはオリジナルのWebテストを課してくることもありますが、どれも玉手箱の延長である場合が多いです。
主要3形式の対策をしておけば応用可能ですので、まずはしっかり基礎固めに専念しましょう!
まとめ
いかがでしたか?
就活において地味に鬼門となるWebテスト。
効率よく対策をして面接に進んでいきましょう!