良いESは必ず「ファクト」と「メッセージ」が分けられている【完全保存版】

就活対策-基礎-




良いESと悪いESを分ける決定的な差は何でしょうか?

内定の森として、今回は各人のノウハウを総動員して良いESの書き方についてまとめました。

ESの書き方で迷っている皆さん、必見ですよ!

ES(エントリーシート)とは?

ES(エントリーシート)とは選考開始前に企業に提出する自分の履歴書です。

ほぼすべての企業でES(エントリーシート)が課されており、対策は欠かせないものと言えるでしょう。

面接における基礎資料としても用いられ、基本的にESに関連した質問がされるのが就活の常套手段です。

そんなこともあって、ES執筆は多くの就活生が苦しむフェーズでもあります(笑)

悪いESの書き方例

ここではあまりよろしくないESの例をいくつか見ていきましょう!

某自動車メーカーA社

【弊社への志望理由を教えてください(200字以下)】

私は貴社で優秀な仲間と高め合い、より早くビジネススキルを身に付けたいと考えている。貴社は業界を代表する会社であり、説明会でお話しした社員さんの雰囲気からも優秀さをとても感じた。私は将来ビジネスマンとしてより社会にインパクトを与えられるような人になりたいと思っており、貴社でなら叶えられると感じた。よって貴社に入社して成長していきたいと考えている。(173字)

某外資系投資銀行B社

【学生時代に力を入れたこと(部活・課外活動・留学・ボランティアなど)を教えてください(300字以下)】

私が力を入れたことは「国際交流系学生団体での代表経験」である。当団体は100人規模で運営される交換留学促進事業を行っており、学校長からの表彰も受けている団体である。その中で私は団体の代表を務め、100人のメンバーをまとめて一つの目標へ向かわせるリーダーとして力を発揮した。私はリーダーシップを「部下に寄り添いモチベートする能力」と考えており、メンバー1人ひとりの意見に耳を傾けながらより良い活動環境を整えることに注力した。その結果、私が代表を務めた期ではメンバーの離脱率が抑えられ、メンバーの満足度アンケートでは10点満点中8という高平均な数値を出すことができた。(277字)

え?逆に結構いいESじゃない?」と思ったそこのあなたは要注意!

次に対照的な良いESの例を挙げてみます。

良いESの書き方例

某自動車メーカーA社

【弊社への志望理由を教えてください(200字以下)】

「目に見える商品である自動車を顧客に届ける仕事がしたい」と考えているためである。幼少期に岩手在住経験があり、クルマ社会である東北における自動車の重要性を痛感したことで、将来的に自動車業界に携わることに憧れを抱いた。その中で、貴社は業界No.1である上、OB/OG訪問において社員の方々の持つ雰囲気と自分の性格が合致しているように感じた。よって貴社の一員として、自動車業界の発展に貢献したい。(188字)

某外資系投資銀行B社

【学生時代に力を入れたこと(部活・課外活動・留学・ボランティアなど)を教えてください(300字以下)】

「交換留学促進事業を行う学生団体においてメンバー100人の代表を務め、目標である学内年間留学者数50人を達成した経験」を挙げる。私の大学では年々留学者数が減少しており、原因分析の結果として「留学で享受できるメリットの認知度が低い」という問題があると判明した。そこで私は学長に交渉をし、当団体と大学との共催で大規模な交換留学説明会を開催することに決定した。メンバーのタスク適性に応じて広報・企画・バックオフィスなどの仕事を割り振ってマネジメントした結果、説明会参加者550人の中から50人の交換留学希望者数が出た。メンバーをまとめ成果にこだわる姿勢は、貴社入社の業務にも生かせると確信している。(290字)

うーん、確かにこっちのESのほうが良いわ」と思ったそこのあなた!

正解です(笑)

具体的にどの要素が加点ポイントだったのかご説明したいと思います。

良いESを書くための秘訣

内定の森運営メンバーが推奨するES執筆のフローは大きく分けて4つあります。

今回はこの4つのフローについて、詳しく説明していきます!

ESを書く目的を把握する

まず大事なのは「そもそもESは何のために書くのか」という目的を明確化することです。

ESを書く理由としては色々ありますが、大前提として「自分がどのような人物であるのかを相手に知ってもらうため」ということが大きいわけです。

どのような人物であるか、をもう少し具体的にすると以下のような項目になります。

■ どのような価値観の持ち主なのか

■ どのような体験をしてきているのか

■ どのような解釈や意味づけをする人なのか

■ 実際に定量的に成果を出せる人なのか

となると、以下のESにはだいぶ欠陥があることが分かります。

某自動車メーカーA社

【弊社への志望理由を教えてください(200字以下)】

私は貴社で優秀な仲間と高め合い、より早くビジネススキルを身に付けたいと考えている(そう考える理由は何なの?将来の目標とかがあるの?それとも上昇志向なの?どっちなんだろう…)。貴社は業界を代表する会社であり、説明会でお話しした社員さんの雰囲気からも優秀さをとても感じた。私は将来ビジネスマンとしてより社会にインパクトを与えられるような人になりたいと思っており(どういう原体験でそう思ったのかが不明!)、貴社でなら叶えられると感じた。よって貴社に入社して成長していきたいと考えている。(うーん、この学生の人柄が見えてこないな。面接で何の質問すればいいのか…

某外資系投資銀行B社

【学生時代に力を入れたこと(部活・課外活動・留学・ボランティアなど)を教えてください(300字以下)】

私が力を入れたことは「国際交流系学生団体での代表経験」である。当団体は100人規模で運営される交換留学促進事業を行っており、学校長からの表彰も受けている団体である(団体の紹介はいいから、あなたがどういう人物なのか知りたいなあ…)。その中で私は団体の代表を務め、100人のメンバーをまとめて一つの目標へ向かわせるリーダーとして力を発揮した。私はリーダーシップを「部下に寄り添いモチベートする能力」と考えており、メンバー1人ひとりの意見に耳を傾けながらより良い活動環境を整えることに注力した(価値観は分かったけど、どういうきっかけでそう思ったんだろう)。その結果、私が代表を務めた期ではメンバーの離脱率が抑えられ、メンバーの満足度アンケートでは10点満点中8という高平均な数値を出すことができた。(人柄は少し伝わってきたし、定量的思考もありそうだけど、イマイチ人物像がつかめないな…

「ファクト」と「メッセージ」を意識して自己分析する

ここでいう「ファクト」とはすなわち原体験のこと。

どのような行動や経験をしてきているのか」「どのような実績を残してきたのか」という定量的・客観的事実のことを表します。

一方「メッセージ」とは「そのファクトから何を学んだか・感じたか」そして「その収穫をどのように入社後に生かしてくれるか」ということです。

すなわち感性や価値観に紐づくその人の物事を見る視点を表す定性的・主観的言説だということです。

この2つの要素をしっかり分けて書けるかどうかが、よりよく伝わるESになるかならないかの分岐点となるでしょう。

この形式に当てはめると、前者のESは「メッセージ」が多すぎて「ファクト」が極端に少ない事例です。

某自動車メーカーA社

【弊社への志望理由を教えてください(200字以下)】

私は貴社で優秀な仲間と高め合い、より早くビジネススキルを身に付けたいと考えている(メッセージ)。貴社は業界を代表する会社であり、説明会でお話しした社員さんの雰囲気からも優秀さをとても感じた(「説明会に行った」というファクトメッセージ)。私は将来ビジネスマンとしてより社会にインパクトを与えられるような人になりたいと思っており(ファクトなきメッセージ)、貴社でなら叶えられると感じた(ファクトなきメッセージ)。よって貴社に入社して成長していきたいと考えている。(メッセージ

これだけだとどのような原体験からそう思ったのかの論理の糸がなく、人物像が全く想起できませんね。

かと言ってファクトをむやみに増やしても効果はありません。

対照的に後者のESは「メッセージ」が少なくて余計な「ファクト」が多すぎる事例です。

某外資系投資銀行B社

【学生時代に力を入れたこと(部活・課外活動・留学・ボランティアなど)を教えてください(300字以下)】

私が力を入れたことは「国際交流系学生団体での代表経験」である(メッセージなきファクト)。当団体は100人規模で運営される交換留学促進事業を行っており、学校長からの表彰も受けている団体である(メッセージなきファクト)。その中で私は団体の代表を務め、100人のメンバーをまとめて一つの目標へ向かわせるリーダーとして力を発揮した(ファクト)。私はリーダーシップを「部下に寄り添いモチベートする能力」と考えており(メッセージ)、メンバー1人ひとりの意見に耳を傾けながらより良い活動環境を整えることに注力した(ファクト)。その結果、私が代表を務めた期ではメンバーの離脱率が抑えられ、メンバーの満足度アンケートでは10点満点中8という高平均な数値を出すことができた。(メッセージなきファクト

ファクトが多すぎるのも考えものです。

「メッセージがないファクト」や「メッセージとちぐはぐになっているファクト」は、むしろ文字数を食うだけの無価値な文章と考えたほうが良いです。

そのファクトを書いている余裕があったら、別の効果的なメッセージを入れ込んだほうが良いですからね。

ファクト」と「メッセージ」を分けつつ、しっかり連関させた文章にしなくてはなりません。

受検企業に対してどの「メッセージ」が適切かを選択する

ファクト」と「メッセージ」が分けられており、かつ連関している文章が書けたとしましょう。

これで完了!と思いきや、まだまだ壁はあります。

ここで考えるべきことは「そもそもそのメッセージが受験企業に対して刺さる内容なのか」ということです。

就職活動は大学受験と違い、業界によって「正解」となる価値観が違います。

ある業界にはウケてもある業界からは煙たがられる価値観があるのは、業界特性を見れば自然と分かりますよね。

前者のESは某自動車メーカーA社に対して「自己成長して優秀なビジネスマンになりたい」というメッセージをアピールしていますが、これは正直お門違いでしょう。

むしろこの価値観がウケるのは、外資系投資銀行であったり戦略コンサルであることは間違いありません。

(ベンチャーにもそこそこウケますが、それに加えて「1から事業を創りたい」という野心的文脈が必要になります)

多くの日系企業の働き方としては「若手時代は研修に加えてジョブローテーション・転勤などで現場経験を多く積み、30代~40代以降で花開いてもらう」ことを目的としたワークスタイルになることが多いですよね。

そうなるとむしろ「早く自己成長したい」というのはマイナスに響いてしまうのです。

では後者のESはどうでしょうか?

某外資系投資銀行B社に対して「リーダーの素養がある」というメッセージをアピールしています。

しかし取りようによっては、最後の満足度アンケートのところを重視して「メンバーから信頼を得る力がある」と解釈する社員もいるかもしれません。

メッセージとファクトの連関が薄いがゆえに、解釈が相手側にゆだねられてしまい効率的なメッセージ伝達に繋がっていないのです。

せっかくいいファクトを持っているのに、勿体ない形で終わってしまっています。

実は「国際交流系学生団体でのリーダー経験」というファクトからは、様々なメッセージが抽出できます。

「リーダーの素養がある」のほかに「異文化への抵抗がなく、グローバル人材のポテンシャルがある」「社会問題などに意識高く関心を持っている」「英語が得意」など、色々な論理の糸を引くことが可能です。

業界によってどのようなメッセージを選択するかは、いま一度吟味する必要があるでしょう。

(外資系投資銀行の場合、押し出し方によってはどのメッセージでも成り立ちます)

日本語の体裁を整える

そして最後には日本語の体裁を整える作業があります。

どういうことかと言えば「砕けた表現の言葉をなるべく固い熟語に置き換えること」です。

例えば前者のESはこのような熟語に置き換え可能でしょう。

某自動車メーカーA社

【弊社への志望理由を教えてください(200字以下)】

私は貴社で優秀な仲間と高め合い(=切磋琢磨し)、より早くビジネススキルを身に付けたい(=獲得したい)と考えている。貴社は業界を代表する会社であり(業界No.1企業であり)、説明会でお話しした社員さんの雰囲気からも優秀さをとても感じた。私は将来ビジネスマンとしてより社会にインパクトを与えられるような人(=人材)になりたいと思っており、貴社でなら叶えられる(=実現できると感じた。よって貴社に入社して成長していきたいと考えている。

このように置き換えることによるメリットはいくつかありますが、

① 「賢い日本語を使えそうだな」と社員に思ってもらえる

② 文字数の節約に繋がる

が主だった2つと言えるでしょう。

社員さんも数百というESに目を通す日もあります。

疲れている日もあるでしょう(というか、それがほとんどですね笑)

その時に「わかりやすい文章だな」という心象を与えられるだけで、ES通過率は見違えるほど改善します。

日本語の体裁を整える作業は必須だと言えるでしょう!

ESの書き方まとめ

以上、ESを書く際に気を付けたい4つのポイントを解説しました!

今までご説明した4点を網羅しているESが「良いES」といえるでしょう!

某自動車メーカーA社

【弊社への志望理由を教えてください(200字以下)】

「目に見える商品である自動車を顧客に届ける仕事がしたい」と考えているためである(日系企業に合う手触り感のあるメッセージが〇)。幼少期に岩手在住経験があり、クルマ社会である東北における自動車の重要性を痛感したことで、将来的に自動車業界に携わることに憧れを抱いた(ファクトとメッセージが連関していて〇)。その中で、貴社は業界No.1である上、OB/OG訪問において社員の方々の持つ雰囲気と自分の性格が合致しているように感じた(ファクトとメッセージが連関していて〇)。よって貴社の一員として、自動車業界の発展に貢献したい(メッセージのダメ押しができていて〇)。(188字)

某外資系投資銀行B社

【学生時代に力を入れたこと(部活・課外活動・留学・ボランティアなど)を教えてください(300字以下)】

「交換留学促進事業を行う学生団体においてメンバー100人の代表を務め、目標である学内年間留学者数50人を達成した経験」を挙げる(ファクトとメッセージが連関していて〇&外銀に合っている)。私の大学では年々留学者数が減少しており、原因分析の結果として「留学で享受できるメリットの認知度が低い」という問題があると判明した。そこで私は学長に交渉をし、当団体と大学との共催で大規模な交換留学説明会を開催することに決定した。メンバーのタスク適性に応じて広報・企画・バックオフィスなどの仕事を割り振ってマネジメントした結果、説明会参加者550人の中から50人の交換留学希望者数が出た。メンバーをまとめ成果にこだわる姿勢は、貴社入社の業務にも生かせると確信している(メッセージのダメ押しができていて〇)。(290字)

ESを書く際は上記4つに注意したうえで、文章の流れが綺麗になるよう仕上げていきましょう!

【おまけ】ESを書くにあたって使える就活サービス

ESを書くにあたっては「過去のESを参考にする」「ESに必要な企業情報を集める」「ESを添削してもらう」の3つが必要になります。

最後に、各要素ごとに使えるサービスをいくつか挙げてみましたので、参考にしてみてください!

外資就活ドットコム

言わずもがな、先輩方の外資就活体験談が多く掲載されているWebメディアです。

ESそのものの提出状況はマチマチですが、企業によっては生のESが掲載されています。

まだ登録していない人は、すぐに登録を!

ワンキャリア

こちらは外資就活ドットコムに比べて、生のES原稿が多くある印象です。

実際に書かれたESを見ることで、どの程度の粒度感でファクトやメッセージを書けばいいのかが一目瞭然!

登録することをお勧めします!

就活ノート

上記2つのメディアは主に外資系企業の情報に厚いメディアですが、就活ノートは対照的に日系企業の生のESに厚いメディアです。

日系就活を考えている人にとっては登録必須のサービスと言えるでしょう!

就活生が感じるリアルな就活情報【就活ノート】

ビズリーチ・キャンパス

ESの中でアピールポイントとなるのが「OB/OG訪問」ですよね。

情報を仕入れられるということのほかに、OB/OG訪問をしたという事実をESに盛り込むことができます。

OB/OGを探す際に役立つのがこのビズリーチ・キャンパスというサービスです。

ネット上で簡単に同じ大学のOB/OGを探すことができるので、登録してみて目的の企業のOB/OGにアタックしてみるといいでしょう!

同じ大学出身の先輩に話を聞けるOB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」

ニクリーチ

ビズリーチ・キャンパスは主に日系大手の社員が多い印象ですが、ニクリーチは新進気鋭のベンチャー企業の社員とコンタクトを取れるサービスです。

タダ飯な上に社員からESに書く上での情報やアドバイスを得られるという一石二鳥なサービス。

ぜひ登録をしてみてください。

人事とお肉を食べて就活「ニクリーチ」

Goodfind

ベンチャー企業と大量に取引実績のある就活サービスといえばGoodfindですね。

Factlogicは姉妹サイトであり、ともにスローガン株式会社が運営しているサービスです。

こちらはリアルイベントでたびたび就活対策講座が開催されています。

Goodfindの社員さんとの個別相談の時間も作ってもらえるので、その際にES添削などをお願いしてみるといいでしょう!

キャリアチケット

急成長中のベンチャー企業であるレバレジーズ株式会社が運営している就活支援サービスがキャリアチケットです。

こちらは黎明期の就活サービスですがES添削も丁寧に行ってくれるとのことなので、就活相談をする際はぜひ一度登録してみてください!

キャリアチケット登録はコチラ

タイトルとURLをコピーしました