2021卒から就活ルールが廃止され、さらに企業の開催するインターンシップが過熱してきている今日この頃。
「その前に、そもそもインターンシップって何?」という人もいるかもしれません。
簡単に説明しておくと、就活におけるインターンシップとは「企業側が開催する模擬ビジネスプログラム及び会社理解を深める場のこと」です。
大体の企業は、インターンシップの中に会社説明とケーススタディを組み込んでいます。
エース社員が会社についての魅力を熱く語り、その後は1班5~7人程度に分かれてグループワークをやるというのが一般的な流れです。
2020卒の学生までは以上のような就活スケジュールで動くのが一般的でした。
2021卒からは経団連の就活解禁ルールが廃止されていますが、実態としてはあまり変わっていません。
ただ、これまでサマーインターンにあまり積極的でなかった日系企業もどんどんサマーインターンを開催するようになってきています。
時期ごとのインターンの目的をしっかり押さえておきましょう!
就活生の中だと「サマーインターン」という用語はかなり一般化してきたように思います。
主に大学の夏休み期間中に開催される、大学3年生あるいは修士1年生を対象にしたインターンシップです。
外資系企業やITベンチャーは精力的にサマーインターンを開催しているほか、一部日系企業も積極的に開催しています。
外資系企業に関しては経団連に加盟していないこともあり、以前からサマーインターン経由で内定を出す企業が非常に多かったです。
マッキンゼー等の外資系コンサルティング・ファームや、P&G等の外資系メーカーは特にそれが顕著です。
名称もサマーインターンではなく、サマージョブという呼び方を使うことも多いですね。
モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス等の外資系投資銀行(証券会社)は、サマーから直接内定を出すことはないものの、優秀な学生には囲い込み措置を取ります。
そして12月~1月に開催される本選考兼ウィンターインターンにおいて優遇を受けることがあります。
ITベンチャーに関して言うと、サマーで評価が付けば内定あるいは長期インターンのお誘いが来ることも多いです。
日系企業や外資系企業よりも組織的にフレキシブルなので「良いと思った学生はとことん囲い込む」というスタンスの会社が多いです。
通年採用を謳っている会社のほとんどがITベンチャーであることからもよく分かりますね。
日系企業に関しては多くが経団連に加盟しているため、2020卒学生までに対しては表向きで内定を出すことができませんでした。
開催している企業も証券会社・メガバンク・広告代理店・リクルート・JT・コンサル等の一部会社にとどまっており、全社一斉に実施していたわけではありません。
しかし2021卒からはもっと多くの企業がサマーインターンを開催すると考えられます。
これまで内定を出さず裏でコソコソ囲い込んでいた日系企業ですが、これからは堂々と学生に内定を出したり優遇したりすることができます。
2021卒から現在に至るまでのサマーインターンの位置づけ変化等については、以下で詳しくまとめています。
夏休み明けの10月頃に開催されるのが「オータムインターン」です。
企業の日程の都合でサマーに開催できなかったり、本選考も兼ねているウィンターインターンの受検勧誘をしたい時だったりに開催されます。
内定の森の感覚として、オータムインターンは日系企業が1Dayで開催する印象の強いインターンです。
総合商社やメーカー等が、どちらかというと会社説明に重きを置いた形で開催したりします。
優秀な学生に目を付ける場合もあるでしょうが、どちらかというと企業理解に努めることができる場として重宝しそうです。
12月~3月あたりに掛けて断続的に開催されるインターンです。
外資系企業の多くは12月~1月に、日系企業の多くは春休み中の2~3月に開催するのが一般的です。
ベンチャーに関しては傾向はなく、ポツポツと色んな時期に開催しています。
外資系企業の場合はウィンターインターンが本選考の中に組み込まれており、ここを通過できないと内定は出ません。
日系企業の場合もウィンターで十分な評価が付かないと裏ルートに呼ばれず、3月以降の本選考において再エントリーしても、序盤で落とされてしまうという事例もあったりします。
どの業界に進む人にとっても、ウィンターは割と正念場と言えると思います。
年度が変わって大学4年/修士2年の4月~5月頃に開催されるインターンのことを指す場合が多いです。
企業によっては3月開催のものを「スプリング」と呼んだりしますが、就活システム上はウィンターに分類したほうが分かりやすいでしょう。
開催している企業は少ないですが、ごく一部の外資系コンサルティング・ファームが開催していることがあります。
なぜこの時期に開催するかと言えば、多くの場合はサマー・オータム・ウィンターで内定を蹴られて定員に満たしていない際の補充目的であるためです。
優秀なライバルはもう内定を決めている場合も多く、穴場と言えば穴場ですが開催されるかは運ゲーに近いので、戦略的に受けずに残しておくことはオススメしません。
以上の季節インターンは就活の中のインターンでしたが、形式的なフローではないインターンも存在します。
それが長期インターンです。
大学1・2年生で長期インターンをしている人も多いのではないでしょうか?
創業間もないスタートアップや、エンジニア採用を積極的に実施しているベンチャー企業などで長期インターンをする人が多いですね。
長期インターンの中には「薄給」「雑用のみ」というブラックインターンがあるのも事実です。
ただし別にそれはそれでよくて、とにかくレベル感は何でも良いのビジネスに触れる体験をするという面で重要です。
自分の中で志向性を磨いていくきっかけにもなりますし、就活時の面接のネタにもなります。
季節別のインターンの位置づけについて解説しましたが、結論としてインターンシップの開催目的や参加する意味は何なのでしょうか?
企業側の思惑と、学生側が享受できるメリットを解説しましょう。
企業側としての開催目的&意味は大きく分けて以下の2つ。
① 企業理解の向上・本選考への誘導(マーケティング)
② 優秀な学生のピックアップ(スクリーニング)
①に関しては、一般的に言われる開催目的ですね。
表向きは会社説明の一環として実施され、学生側の理解を促進させるようなプログラム設計になっています。
本来は職業体験がインターンシップの目的なので、①は至極当たり前の開催目的です。
ただし、多くの企業は同時に②を実施しています。
インターン中に実施されるグループワーク等がその評価対象になり、裏側でしっかりと評価を付けられていると思ってください。
特にグループに1人ずつ社員がメンターとしてついており、評価シートを持ってうろうろしている場合はその可能性が大です。
自分が評価されているという認識をもって発言するよう心がけましょう。
では学生側が参加する目的や意味はあるのでしょうか?
まあぶっちゃけ、企業側の目的を裏返せばいいです。
会社の理解を深めながら、自分を評価してもらって本選考時に優遇してもらうというダブルのメリットを享受しましょう。
そういった意味で、インターンに参加する目的は非常に大きいと思います。
「インターンシップで評価が付くと直接内定が出るの?」とよく聞かれますが、これは企業によってまちまちです。
サマーインターンから直接内定を出すのはコンサルティング・ファーム、外資系メーカー、ベンチャーである場合がほとんどです。
それ以外の業界に属する企業は選考の優遇などはしてくれるかもしれませんが、直接内定を出す場合は少ないです。
一方ウィンターインターンの場合は本選考が近いため、評価が付けば裏ルートに乗せてくれて内々定をくれることも多いです。
加えて2021卒からは就活ルールが廃止されているので、サマーインターンから続々と内定を出す会社が増えてきている印象です。
このような状況を考えると、ますますインターンに参加しない意味はないと言えるでしょう。
さて、季節インターンシップはどのような日程で組まれている場合が多いのでしょうか?
日程と内定との相関についても解説します。
Aさん:今度〇社の1Dayインターン行くことになったんだ!
Bくん:1Dayなんて意味ないよ(ドヤ)というのも~
という風景をたまに見たりしますが、果たして本当に意味はないのでしょうか?
1Dayインターンのプログラムは「会社説明」がほとんどを占めており、申し訳程度にワークショップが開催される程度です。
どちらかと言うと企業のマーケティングの一環で開催されることが多く、選考での優遇を期待していく人にとっては確かに不満足かもしれません。
しかし、それよりも大事なのは「1Dayに参加した」という履歴を付けること。
こうすることで当該企業への志望度をアピールすることができます。
特に日系企業の場合はそれが顕著でしょう。
本選考時に当落線上に自分が立たされた際、もしかすると1Dayの参加履歴が自分を助けてくれるかもしれません。
企業理解を深めつつ参加履歴を付けるために、時間に余裕があるならどんどん参加しましょう。
外資系投資銀行やコンサルティングファームの多くはこの日程である場合が多いでしょう。
2~3日間もあれば企業側も学生をより詳しく見ることができるため、評価の場としての意味合いが強まります。
企業としてもそれだけ社員のリソースを割いていたり予算を付けているわけで、その分採用に繋げたいという思いは持っています。
思う存分に自分をアピールしてきましょう!
日系企業なんかは結構この日程が多いかも。
どっぷりと会社漬けにし、学生に企業のことを好きになってもらうという狙いが強いのかもしれません。
これだけ長い間一緒に過ごせば学生の人となりも大体見えてくるので、評価のブレも出にくいわけです。
4~5Daysインターンで評価が付くと、その後は選考をほぼスキップできることも多いです。
さて、インターンに実際に参加した先輩の声を次にご紹介しましょう。
Cさん(早稲田3年・女性)
秋頃に日系メーカーの1Dayインターンに参加しました。
個人的にワークショップやグループワークを期待して行ったのに、内容は殆どが会社説明やプレゼン。
もう少し頭を使ったワークをしつつ、ビジネスモデルや企業の特徴を理解したかったなと思いました。
Dくん(東大修士1年・男性)
就活サービスの薦めでベンチャーの3Daysインターンに参加したけど、社風が自分に合わなくて苦痛でした。。。
幅広い業界を見ることも大事だけど、何かあの3日間は時間を無駄にした感があります。
3日間も拘束されるくらいなら、自分の研究に時間を充てればよかったです。
Eさん(青山学院大3年・女性)
外資コンサルのインターンに運よく受かって参加しましたが、周りのレベルが高すぎて何もできませんでした。
高いレベルの人たちの考え方とかを学べたのは良かったです。
ただ実際に内定を求めるなら、私のレベルには合わなかったなぁと思います。
Fさん(上智大学3年・女性)
冬に総合商社のインターンに参加しました。
元々は金融志望で証券や保険を見ていたのですが、商社のインターンが思ったより面白くて志望度が上がりました。
インターンが開催されていなくて本選考だけだったら、きっと受けることなく就活が終わっていたと思います。
自分の興味がなかった業界の面白さに気づけたので、インターンにはできるだけ応募して参加するのがオススメです。
Gくん(慶應義塾大学修士1年・男性)
夏に日系コンサルの5Daysのインターンに参加しました。
元々コンサル志望だったのですが、外資戦略コンサルの選考は結構落ちてしまっていて「コンサルには向いてないのかな」と思いながらの参加でした。
しかしお題が非常に本質的で考え甲斐があるほか、社員さんからのフィードバックが的確で本当に5日間の密度が濃かったです。
インターン後に幸いにも”裏内定”も出してくれましたし、何よりこのインターンで鍛えられたので他のコンサルのケース面接の通過率も上がりました。
Hくん(大阪大学3年・男性)
関西は早くから就活をしている人が少なく、周りもサマーインターンの意識が薄い中での就活でした。
そんな中で夏に外銀のインターンに参加することができ、カルチャーショックを受けました。
同い年なのに圧倒的な財務知識と思考力を持っている人を見て、すごく刺激を受けたのを思い出します。
今もそのグループメンバーとは連絡を取り合って情報交換してますし、レベルの高い就活仲間を見つけられて本当に良かったと思います。
インターンの賛否は色々ありますし、意見は個々人の性格にも依存します。
全てを鵜呑みにすることはできませんが、内定の森的には「自分に合わない/合うが分かっただけでも参加する意味はあったのではないか」と思います。
また一回でもインターンに行っておくと、別の企業の社員さんと話した時に「〇〇のインターンに行って~」と話が出来たりもします。
あとはインターンの内容はどの企業も似通っているので、一度経験しておくと前にやったように進めるだけでパフォームすることができます。
こういった観点からも、内定の森としてはサマーインターンから積極的に色んな業界のインターンを受検することをオススメしています。
もといインターンに参加する前に落とされることも多いので、最初から選り好みして「インターンに行けなかった。。。」という事態を防ぐためにも、ある程度の数の企業にエントリーすることは必須でしょう。
以上、インターンシップの意味や目的についてあれこれまとめました。
ぜひ参考にしてみてください!